最近クリーンディーゼルエンジンを搭載した乗用車が話題になっていますね。
高性能で排ガスもきれいで良い所ばかりなイメージがあります。
そこで今回は、クリーンディーゼルエンジンを取り上げてみたいと思います。
そもそもディーゼルエンジンって?
簡単に説明すると最大の違いは燃焼方式。ガソリンエンジンは、ガソリンと空気をシリンダー内で混ぜて圧縮し、点火プラグの火花で火をつけて燃焼させます。一方、ディーゼルエンジンは空気のみを圧縮して高温となった時に、軽油をシリンダー内へ噴射することで自己発火します。ですから、ディーゼルエンジンには点火プラグはありません。
メリットは?
- チカラもち
燃焼効率が良く低回転から高トルクを発生させるため、エンジンを高回転させる必要が無く、力強く走ることができる為、結果として燃費が良くなり、二酸化炭素の排出量も少なくなる。
- 壊れにくい
高圧縮比となる為、高い圧力でも壊れないエンジン構造を持つ必要があります。従ってエンジンに使われる部品も軽さより強度を重視して作られている為、十分な耐久性が確保され壊れにくい。
- 燃料安い
ディーゼルエンジンに使用する軽油は、産業用燃料として、ガソリンより税金が優遇されているので、1リッターあたりの単価はガソリンよりも安くなっている。
といったところがメリットですね。しかし、過去にはディーゼルエンジンを搭載した車が環境を破壊するとして問題視されたこともありました。
デメリットは?
- PMやNOxなど有害物質が多く発生する
- 高回転型エンジンには向かない
- 製造コストが高くなる
- 振動や音が大きい
- 黒煙や煤を多く排出する
掻い摘んで書きましたが、やはり一番の問題は、有害物質により人体や環境に悪影響を及ぼす事です。
ディーゼルエンジンは、排気ガスの成分に粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)が多く含まれており、喘息や肺がん、酸性雨の原因とされて、非常に厳しい排ガス規制の対象とされてしまいました。
技術革新、クリーンディーゼル
そこで誕生したのがクリーンディーゼルです。何がよくなったかと言うと・・・、
- コモンレール式(燃料蓄圧容器)燃料噴射装置の開発により、燃料噴射を精密にコントロールでき、最適な燃焼を得られるようになった。
- 燃料噴射を精密にコントロールできるので、圧縮比を下げることも可能になったことから、ディーゼルエンジン特有の音や振動を抑えることが出来る様にもなった。
- 排ガス処理装置の開発でPMやNOxの排出量を軽減することが出来る様になった。
など様々な問題をクリアしただけではなく、ディーゼルエンジンのイメージを大きく変えるものになっていきました。
使い勝手に多少問題も
クリーンでパワフル、イメージアップ抜群のクリーンディーゼルエンジンですが、少しだけ問題もあります。
- 車両価格が、ガソリン車と比べると数十万円高くなるので、使用頻度が少なく、長距離走行をしない人にはメリットがあまりない。
- 専用オイル、バッテリーなどを使用しなければならず、メンテナンス費用が少し割高。
- 車種により、燃料の他にも、NOx処理用のアドブルーという尿素水を定期的に補充しなければならない。
- 排ガス中に含まれるPM(粒子状物質)を捕捉するフィルターを自動燃焼させるDPFが時々作動し、使用状況によっては燃費が悪くなり、エンジンレスポンスも悪化する。
などが上げられますが、飛躍的に性能が向上したことを考えればあまり問題視しなくてもよいレベルだと思います。
まとめ
これからもっと普及し始めれば製造コストも下がり、身近な存在となるであろうディーゼルエンジン。各メーカーも様々な研究開発をしています。今、最も注目されているのは、ディーゼルハイブリットで、これから続々と国産車にも登場してくると思われます。臭くてうるさいイメージはもう過去のものになり、ライフスタイルに合わせ、ディーゼル車の選択肢も十分アリかもしれないですね。